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福島第一原発事故のため今夏の電力供給不足が懸念され、国や自治体や電力会社からの節電呼び掛けがあり、多くの人たちが節電に努めました。 こういう時に一致団結して協力できる日本人は本当に素晴らしいですね。 ところで、ある自治体では節電を推進するために“シエスタ”休暇なる制度を取り入れたところがありました。 シエスタというのは、スペインなど南欧の国で行われている昼食後に睡眠を取る習慣のことです。 要するに、お昼休みをゆっくりとることですね。 日本という国は何かと範を外国に求めたがる傾向がありますが、実はシエスタのような習慣は与論島にもあります。 私の実家は農家なのですが、与論島は亜熱帯気候の島で特に夏は暑いので日中は暑くてとても農作業ができません。 農作業ばかりでなく、外は陽射しが強く焼けるような暑さなので誰も日中は出歩きたがりません。 では暑い日中はどうするかといえば、お昼を済ませたらゴロンと横になって昼寝をするのです。 そして、暑さが和らぎ始めた頃から再び活動するのです。 もっとも、こういうスタイルは農業や漁業など第一次産業従事者に多いのかもしれませんがね。 シエスタの習慣にかぎらず、与論島は絶海の孤島で刺激も少ないということもあり、昔から島民気質としてのんびりしたところがあります。 今となっては笑い話ですが、私が東京に上京したての頃は、街中を歩く他の人たちのスピードに付いていけませんでした。 大勢の人が早足で移動する中で危うく他の人にぶつかりそうになったことが何度もあります。 都会はとにかくスピード、スピードでいろんなものが動きます。 しかし、時代は変わりつつあり、それに伴い人々の意識も変わりつつあります。 若い人たちの間では、従来型の効率性や利益重視の企業への就職をやめ、社会的貢献度の高い仕事に就きたいとか、自ら社会起業をしようという動きも広がっています。 また、従来の価値観の延長線上で生きてきた人たちも、もっとゆとりを持った生活がしたいとか、生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)を重視するようになっています。 そんな世の中の変化の中で、ひょっとしたら、与論島の島民のライフスタイルに根付いてきた“ノンビリズム”、“ユッタリズム”みたいなものは多くの人に受け入れられるかもしれません。 映画『めがね』がヒットした背景には、そういうものへの憧れを持っている人が多いということもあるのでしょう。 自然以外にも世間に自慢できるもの、それは島民のライフスタイルの中にも見つけることができるのではないか、そう思うのですがいかがでしょうか?
by yoronto
| 2011-10-08 11:14
| 島の文化
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