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<サトウキビ収穫作業の風景>
私の都会暮らしも25年以上になりますが、都会で暮らし始めて以来違和感を感じる言葉があります。 それは、“女性の社会進出”という言葉。 どうやら、従来、結婚したら家庭に入って専業主婦となり、子供ができたら子育てに専念し、といった感じの世の中の風潮の中で生きてきた女性たちが、自分の価値観を重視し、結婚しても子供ができても仕事を捨てず、あるいは独身で仕事に邁進し、みたいな流れになってきた傾向をいうようですね。 でもね、私から言わせると、これはたんに都会の人々の生活スタイルの変化のことだけをさしているに過ぎないと思うんです。 だって、田舎では昔っから女性は常に労働の貴重な戦力であったし、結婚して家庭で専業主婦だけやっている人はむしろあまりいなかったのですから。 もちろん、背景には田舎特有の産業構造の問題(第一次産業の比率が高いとか)もありますし、都会生活者に比べ所得が少ないので男女ともに働かざるをえないという事情もあるでしょう。 与論島にはサトウキビ農家が多いのですが、サトウキビの収穫作業は家族総出で行います。 だから、大人も子供も男性も女性も関係ありません。 国が打ち出している「男女共同参画型社会の実現」などという方針は、与論島のような田舎にはなじまないものかもしれません。 そりゃ、例えば、島民が集う宴席などの際に女性が宴席にはあまり顔を出さず、料理を作ったり・出したり、洗い場を担当したりと裏方に徹することはよくあります。 しかし、これだけを持って女性の地位が低いというわけではなく、実はそれこそ裏では女性のほうが力を持って男性を動かしていることはよくあるんです。 私の父と母の関係を見ているだけでもつくづくそう感じます。 思い起こしてみると、島の小学校、中学校、高校に通っていた頃、同級生の女性たちがやたら強かったような記憶があります。 性格的に気の弱かった私なんてよくやり込められたものです(笑)。 学校の成績も女性のほうがよかったですしね。 女性が男性と互角の存在だった与論島というところだからこそ、女性も自然に強くたくましく成長したのでしょう。 与論島の人々のこの生き方は、世の中に誇れるものかもしれません。
by yoronto
| 2011-09-29 09:18
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