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我が魂の島ヨロン島 The Soul Island "Yoron"


本名:竹内富雄。1964年、東洋の真珠“与論島”で生まれ育つ。私の原点と魂は今もなおこの島にある。 I was born in the small island in Japan.The name of this island is "Yoron" where is very beautiful.
by yoronto
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“魂の島”、日本の高齢化社会の手本が与論島にある

2006年1月14日付の記事にて、ノンフィクション作家の吉岡忍さんが朝日新聞で与論島を“魂の島”と紹介したコラム記事を書いたことを紹介しました。
この魂の島という言葉は、地元を中心に活動する人気バンド「かりゆしバンド」の代表曲の曲名にもなっています。



私は18歳の時に東京の大学へ進学するため島を離れました。
以来29年の歳月が流れ、郷里で暮らした年月よりも本土暮らしのほうが長くなりました。
そんな私ですが、今更ながら魂の島という言葉を聞いてふと思ったことがあります。
日本は今後ますます高齢化社会にシフトしていくといわれていますが、今後日本人が長生きしていく上での手本が実は与論島にあるのではないかと。

与論島は、本土に比べると生活の利便性はよくありません。
物質面や施設面などでも豊かではありません。
それなのに、与論島には長生きしている人がたくさんいて、物に恵まれていない自分たちを不幸だとは思わない人がたくさんいます。
亡くなった私の祖母は、戦前戦中を生き抜き、戦後は生きるために必死に働き、私が記憶するところ食事は粗食ばかりでした。
そんな生活環境にありながら愚痴もこぼさず、年老いて働けなくなってからはいつも笑顔で子供や孫たちの成長を見守っていました。
その祖母は100歳で他界。

医療施設も介護施設も充実し、生活の利便性もいい都会は老後の生活には最適な場所にも思われますが、それが“幸せ”につながるかといえば必ずしもそうは言えないと思います。
年取って動けなくなった、ボケてしまった親の介護をしたくないので施設や病院に預けたい子供、家族の絆の希薄さを感じ寂しさを感じる親、そんな親子の関係も浮かんできます。
高齢化社会の問題を議論する時に、欧米、特に北欧の国々に範をもとめようとする動きがありますが、私があえて言いたいのは、なぜ本土の人たち、国の偉い人たちは足元を見つめようとしないのか、日本という国の中でも範を探そうとしないのかということです。

私は、与論島で生きる人々の暮らし方、生き方は世界にも十分手本になるものだと考えています。
与論島の人々は親を敬い、先祖を敬い、自然を崇拝し、自然の恵みに感謝し、困ったことがあれば島民同士お互い協力し合って生きています。
かつて韓国ソウル出身の友人を与論島の実家へ連れていったことがあります。
その時、その友人は与論島の家族の関係や先祖を敬う姿を見て、この島には儒教文化がしっかり根付いていると感動していました。

高齢化社会では医療面や福祉制度などを充実させて身体の健康を保つことも重要でしょうが、同時に精神面を充実させていく、つまり、人々が「長生きしたい」、「長生きしてよかった」と心から思えるような環境づくりも重要なのではないでしょうか。
日本にはそんな環境づくりをする上で手本にできる地域がたくさんあるような気がします。
私はその一地域として与論島を推したいと思います。
与論島の魅力、人々の温かさに触れ都会から移り住んだ人もいます。
以前の記事にも書きましたが、作家の森瑤子さん(故人)は与論島の虜になりこの島に別荘を建てて時々ここで暮らしていました。
私は年1回程度帰省しますが、帰省する度に島の良さを改めて少しずつ再認識しています。

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by yoronto | 2011-08-22 01:06 | 島の人々
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